雪が降るよと脅かされながら(笑)、NHKホールでワーグナーを、の巻。 |

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2026年 02月 07日
![]() 今日の演目はこんなところです。 シューマン/交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」 ワーグナー/楽劇「神々のたそがれ」 ─「ジークフリートのラインの旅」 「ジークフリートの葬送行進曲」 「ブリュンヒルデの自己犠牲」 フィリップ・ジョルダン(1974-)はスイスの指揮者、みっち的には昨年10月のウィーン国立歌劇場公演「ばらの騎士」以来です。あの公演の興奮を思い出します。 またワーグナーファンにとって記憶に新しいのは、もちろんバイロイトでバリー・コスキー演出の「マイスタージンガー」を2017年から2021年まで、彼が指揮したことですね。そうそう、エリーナ・ガランチャがクンドリー役を歌った、ウィーン国立歌劇場「パルジファル」も彼の指揮でした。 さて、後半がワーグナー・プログラム、「神々の黄昏」からの音楽、「ブリュンヒルデの自己犠牲」を歌うタマラ・ウィルソン(1982-)はアメリカのソプラノ、メトで「アイーダ」のタイトルロールなど実績があるとのこと。さあて、どうなることやら、午後6時定刻よりやや遅れて、シューマンから演奏会は始まります。 シューマンの交響曲をレコードやCDではなく、実演で聴くのは久しぶりです。ただ、どうもオーケストレーションがねぇ、いやこれはN響の問題ではなく、作曲家の問題なんですけど、心地よく響きません。なんだか重っ苦しくて、交響曲らしいスカッとさわやかな響きがないなぁ。もちろん随所にシューマンらしい、インティメイトな楽想が盛り込まれて、愉しいのですが。例えば、第3楽章の冒頭、ヴィオラだけが優しい旋律を奏で、しばらくしてこれにヴァイオリンが加わってくるところなど、とっても好きですね。 ここで20分の休憩、NHKホールってのは、およそ文化的な香りに乏しいところです。建物がでかい割にトイレも足りませんしね。さあて、いよいよワーグナーです。 結論から云いましょう、ジョルダンの指揮の下、N響はよく弾きました。この夜ここで鳴ったのは、まさしくワーグナーの音楽です。管楽器のソロはまだ上には上があると思いますが、弦の厚み、音色、シューマンの時より編成の増えたオーケストラが咆哮するとき、久しぶりに、背筋がゾクッといたしました。 ああっ、それで肝心の「ブリュンヒルデの自己犠牲」はどうだったの、これはねぇ、なんちゃって、でありました。声量が足りない、声質がドラマティック・ソプラノじゃない、云々かんぬん、もう止めておきます。 みっちが実演で最初に聴いた「ブリュンヒルデの自己犠牲」は、1987年の西ドイツ(当時-笑)ベルリン・ドイツ・オペラ公演、カタリーナ・リゲンツァでした。それ以来40年の長きにわたって、聴き続けています。実演では、このあとすぐにギネス・ジョーンズを聴きましたが、リゲンツァの印象が強すぎて、あまり記憶にありません。そして、バレンボイム・ベルリン国立歌劇場公演のデボラ・ポラスキー、少し荒削りの印象。 最近では、東京春音楽祭のクリスティアーネ・リボール、この人はちょっとね、でしたが。(笑)あとは新国立劇場でペトラ・ラング、これは文句なくよかった、飯守泰次郎さんが元気に指揮されていた姿が目に浮かびます。あとは東京春音楽祭のガラで聴いたエレーナ・パンクラトヴァ、彼女の貫禄とその発するオーラには驚愕、ただ「ワルキューレ」第1幕抜粋は完璧でしたが、「ブリュンヒルデの自己犠牲」はちょっと留保付きではありました。まぁ、そんなものなんです。 ですが、こうして聴いてきた「ブリュンヒルデの自己犠牲」はいずれも一流、今宵のN響定期とは比較にもなにもなりません。一流レベルというのは、そうだな、テニスで云うなら、先日の全豪オープン決勝、エレナ・ルバキナが女王アリナ・サバレンカを破った試合のようなものです。それと比べれば、今晩の歌唱は、WTAランキングの100位前後の試合でしょう。そういう違いって、どんなずぶの素人であっても、明らかに分かるものなのです。 はい、そんなところが、今日の演奏会でありました。なんといっても、ジョルダン・N響の素晴らしいワーグナーが聴けてよかった、感想はこれに尽きるのであります。 記事冒頭の画像は、今宵のフィリップ・ジョルダン、タマラ・ウィルソン、N響のメンバーです。このようにカーテンコール後の写真撮影は普通のことになっております。
by mitch_hagane
| 2026-02-07 00:39
| 3.音楽
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