さてNHKのBSプレミアム4Kで今年2024年のバイロイト「トリスタン」を聴いたというか「観た」(笑)のですが、の巻。 |
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2024年 09月 18日
実は今回初めてBS4K(3840×2160)でバイロイトを見たのですが、流石に精細・美麗です。バイロイト劇場に臨席しても、ここまで細部は見えないでしょう、凄いです。まぁしかしながら、意地悪ばあさん的に云えば、微細に美しく見えるからと云って、感動につながるかというと、それはまた別である、ってところです。(笑) 演出はアイスランドのトルレイフル・オルン・アルナルソンThorleifur Örn Arnarsson、ステージデザインはヴィタウタス・ナルブタスVytautas Narbutas、いや実に凝った舞台だ、第1幕のイゾルデの衣装は凄いし、第2幕の魔法使いの物置みたいな雑多な彫像・絵画・道具類の集積は圧巻です。 演出の趣向としては、第1幕毒薬のつもりで媚薬をあおるシーン、ここで2人は、薬を「飲まない」演出です。これは2人がもともと愛し合っていて、媚薬の力で愛し合うようになるのではない、という点を強調しているんでしょうか。こうした演出は初めてではないと思いますが、珍しいですね。 さて、歌手の方に行きましょう、タイトルロールは、おなじみのアンドレアス・シャーガーさん、初めて実演を聴いたのは、2016年の東京春音楽祭でした。あのときはジークフリート役、素晴らしかったです。パルジファル役はBlu-rayとかあるいはバイロイト・ライブで聴いて、これまた満足、安心して聴ける人です。トリスタン役を聴いたのは初めてでしたが、まずまずではなかったでしょうか。 つづいてもう一人のタイトルロール、イゾルデ役のカミラ・ニールンドさん、うーん、今ひとつの感あり。頑張っているのは分かるし、みっちは彼女のファンでもありますから、応援したい気は満々なんですけど、はぁて。 いつの時代にせよ、ワーグナー・ソプラノ、それもホッホ・ドラマティッシュ(高度にドラマティックな役-ブリュンヒルデ、イゾルデ、クンドリー役です)を完全に歌いこなせるのは、世界中で3人を超えることはまずないです。戦前で云えば、フリーダ・ライダー、ジャーメイン・ルービン、そしてキルステン・フラグスタートの3人、戦後バイロイトの再開では、むろんヴァルナイ、メードル、そしてニルソンですよね。 カミラ・ニールンドさんは残念ながらそうしたリジェンドの系譜には属さないです。それは仕方がない、彼女はリリック・ソプラノなんですから。バイロイトでも「タンホイザー」のエリザベート役なんて素晴らしかった、「ローエングリン」のエルザ役もいいでしょう、しかし、イゾルデ役はやっぱりちょっと荷が重いな、というのがみっちの正直な感想です。 あとはどうなんだろうなぁ、ブランゲーネ役のクリスタ・マイヤーさんは、FM放送されたらちょいと聴き直したいなぁ、と思いました。他にはあまり印象に残るものなし、マルケ王は論外、というあたりでしょうか。今年のバイロイトは、指揮のセミヨン・ビシュコフも含めて、平均点をやや下回ると評価いたします。記事冒頭の画像は、第1幕左イゾルデ、右トリスタン、そしてこれは第2幕の舞台です。イゾルデの衣装は、まるで巨大な蜘蛛の化け物のよう、そして第2幕の居室は、魔法使いの巣窟という感じ、この演出・舞台装置はどうなんでしょう、イゾルデの個性の解釈に致命的誤りがある(笑)ような気がしてなりません。
by mitch_hagane
| 2024-09-18 15:03
| 3.音楽
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