ヤルヴィさんは、ドン・ジョヴァンニの演奏会形式をみなとみらいホールで聴いたことがあり、好印象でありました。キビキビしてたな。その彼が初めてシベリウス全集、それもオケは例のパリ管(笑)ということで、聴いてみました。
みっちはシベリウスの交響曲って、何も知らないのです、第2番を少し聴いたことがある程度かな。バルビローリの全集とかバーンスタインとか、一応持ってはいるのですが。さて、とにかく聴いてみましょう、第3番(1907年作曲)を選びます。ああーっ、流石に新録音、いい音、美音です、弦の音って、こうでないといけません。(笑)
ところでウィキペディアの交響曲第3番 (シベリウス)の項を見ますと、こんな事が書いてあります。
『別名「アイノラ」とも呼ばれるこの曲の第3楽章は…(以下略)』、アイノラというのはシベリウスが1904年に建てた家で、妻の名前アイノから取られています。たしかに第3番はこの家で作曲されていますが、それだけでは「アイノラ」と呼ぶ理由としては弱いですね。それにわざわざ第3楽章と書かれてますね、第3番はご存知のとおり3楽章構成ですから、最終楽章です。そして、うぅーん、他言語のWikipediaにはそうした記述は全然ありません、疑うわけではないのですが、これはいったい本当の話なんでしょうか。
記事冒頭に、ちょいと陰気な絵を載せておきました。これは実際にアイノラ荘のグランドピアノの背後の壁に掛かっている割りと大きな絵です。画家の名はオスカー・パルヴィアイネン、表題は「神への祈り A Prayer to God」です。1906年にシベリウスはオスカーにいくつかのテーマを弾いてみせ、画家はそれに依りインスピレーションを得て、この絵を書いたのです。「神への祈り A Prayer to God」のテーマは、第3番の第3楽章に実際に使われています。シベリウスは1900年に末娘のキルスティを亡くしており、その悲しみがこの絵に反映されていると云われています。
ということで、今回はこんなエピソードを発見したくらいで、日本語ウィキペディアの記事の信憑性は確認できませんでした。そうそう、この記事では他にも第3楽章を「力強い蒸気機関車」のイメージとか書いているのですが、全くもってみっちの感覚にはそぐいません。
今回の記事では、以下のサイトを参考にしました。
おまけ:
Disc1
1. 交響曲第1番ホ短調 Op.39
2. 交響曲第4番イ短調 Op.63
Disc2
3. 交響曲第2番ニ長調 Op.43
4. 交響曲第5番変ホ長調 Op.82
Disc3
5. 交響曲第3番ハ長調 Op.52
6. 交響曲第6番ニ短調 Op.104
7. 交響曲第7番ハ長調 Op.105
パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)パリ管弦楽団
録音時期:2012年10月17,18日(第1番)、2015年3月17,18日(第2番)、2016年3月2,3日(第3番)、2016年3月30,31日(第4番)、2015年9月9,10日(第5番)、2014年1月29,30日(第6番、第7番)
録音場所:パリ、サル・プレイエル(第1番、第6番、第7番) フィルハーモニー・ド・パリ(第2番、第3番、第4番、第5番)
サル・プレイエルはパリ管のかっての本拠地、フィルハーモニー・ド・パリは現在の本拠地(2015年以降)です。