今日は一つ、みっちの好きなピアニストばかりで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲を聴いてみることにいたしましょう、の巻。 |
練習曲みたいなものが多い様な
気がするのは私だけ?
モーツァルトやベートーヴェンの時代のピアノ協奏曲は、後年の例えばラフマニノフあたりと比べると、ピアノのソロ・パートはとてもシンプルですよね。それと当時のピアノは、メカニズム的に完成されておらず、現代のピアノとは音色もパワーも全然違うので、同時代楽器を使った演奏を聴くと、ガラッと印象が異なります。
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2022年 04月 26日
そして演奏はご覧のとおり、録音年代順に並べてみましょう。 グルダ/シュタイン・ウィーンフィルで5番(1970年) ルービンシュタイン/バレンボイム・ロンドンフィルで3番(1975年) ミケランジェリ/ジュリーニ・ウィーン響で5番(1979年) アルゲリッチ/アバド・マーラーチェンバーで3番(2004年) グリモー/ユロフスキ・シュターツカペレドレスデンで5番(2006年) 3番と5番だけとは、これは一体どういう基準で選んだのかね。 ピアニストにはお気に入りの人を選んだのですが、ちょっと困ったのは全集がない人です。ミケランジェリは1番、3番、5番しか録音していないし、アルゲリッチはほとんどが2番の録音、3番が一つというところ。グリモーは4番、5番ですね。 一方で、ルービンシュタインはクリップス/シンフォニー・オブ・ジ・エアー(1950年代)、ラインスドルフ/ボストン響(1960年代)さらに、このダニエル・バレンボイム/ロンドン・フィル(1970年代)と3つも全集があるので、この中からどれを選ぶかという問題も生じます。 またベートーヴェンのピアノ協奏曲は5曲ありますけど、はじめの3つはまだその生涯で、名声の絶頂に近づく前の頃、あとの2つはほぼ絶頂の頃の作曲です。ピアノ協奏曲には、彼の晩年の作品(ピアノソナタ、弦楽四重奏、交響曲第9番など)にある深みは感じられませんが、その代わり青年~壮年らしいロマンと詩情に溢れています。 こうした点をいろいろ考慮して演奏を選んだのです。いずれもその第2楽章を中心にして比較しながら聴いてみました。 グルダ/シュタイン・ウィーンフィルの5番:みっちにとっては「決定盤」です。演奏は無論ですが、音も良い。なるほどベートーヴェンとはこう弾くものかと思わせます。5番の第2楽章は、ロマンティックなメロディーなんですが、そこに偏り過ぎるのは根本的に誤っていると思います。もちろん無味乾燥では困りますけど、ベタベタしたセンティメンタリズムとは無縁で、青年・壮年らしいカラッとしたロマンが欲しいです。グルダはそこのところ、十分に承知しています。 ミケランジェリ/ジュリーニ・ウィーン響の5番:ライブ録音のせいか、音質は今ひとつですが、見事な演奏ぶり、グルダの方向性とは少し異なっていて、名人芸が披露される、それが嫌味にならず素晴らしい効果が出ています。全集録音が欲しかったです。 グリモー/ユロフスキ・シュターツカペレドレスデンの5番:堂々たる演奏ぶり、力強く、そして詩情は最小限に抑えられています。むろん意識してそうしているのです、クールでスピーディな演奏、現代を感じさせます。音質はもっとも良いです、数々の名録音で有名なドレスデンのルカ教会での録音、これもこだわりですね。 ルービンシュタイン/バレンボイム・ロンドンフィルの3番:ルービンシュタイン超晩年、88歳の時の演奏、3番を選んだのは、5番では少し荷が重い感じがしたからです、音質は良好、美しい音色ですが、少しタッチが弱い感じがいたします。 アルゲリッチ/アバド・マーラーチェンバーの3番:アルゲリッチは2番を好んでいるようですが、3番にしました。今世紀に入ってからの新しい録音なので、ライブとは云っても音はよいです。それにしても、アルゲリッチは協奏曲分野で、こんなにも穏やかな表情を見せるのですね、ルービンシュタインの詩情と比べて一歩もひけをとりません、音色の美しさについても、ルービンシュタインにひけをとらないのですが、そのタッチには強靭さの裏付けがあることがはっきり感じられます。 おまけ: 前々回の記事でリマスタリングを扱いましたから、今回の音源についても、ふれておきましょう。グリモーとアルゲリッチはデジタル録音ですから省いて、グルダ、ルービンシュタイン、ミケランジェリの3つです。 グルダ(2種) 「ベートーヴェンP協、第5番、ピアノソナタ第17番」2001年ユニヴァーサル、UCCD-7030 468 730-2、国内盤 「Gulda spielt Beethoven」CD12枚組セット、2005年Universal、476 8761、海外盤 ルービンシュタイン「ベートーヴェンP協、第4番、第3番」(P)1990年BMGビクター、BVCC−5056、国内盤 ミケランジェリ「ベートーヴェンP協、第5番、第3番」2006年ユニヴァーサル、UCCG−5022 442 8568、国内盤 何だか、みっちにしては珍しく国内盤が多いです。昔に買ってるからだな。それで、こららの盤は全て高域が20kHz止まりでした。ですので、いずれも最新のリマスタリングはされていない、オリジナルに近いものだと思われます。グルダは2種持っているのですが、この2つのファイルは同じものではなく、異なったマスタリングです。新しい方(2005年)がわずかながら、平均再生音量、ピークレベルが高いです。ただその違いは1dB以下でして、ダイナミックレンジは変わりません。ですので、本格的なリマスタリングではなく、お化粧直し程度という感じです。
by mitch_hagane
| 2022-04-26 00:45
| 3.音楽
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Comments(2)
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ナショナルキッド
at 2022-04-26 08:25
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ベートーヴェンのピアノ協奏曲って、
練習曲みたいなものが多い様な 気がするのは私だけ?
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mitch_hagane at 2022-04-26 10:15
ナショナルキッドさん、
モーツァルトやベートーヴェンの時代のピアノ協奏曲は、後年の例えばラフマニノフあたりと比べると、ピアノのソロ・パートはとてもシンプルですよね。それと当時のピアノは、メカニズム的に完成されておらず、現代のピアノとは音色もパワーも全然違うので、同時代楽器を使った演奏を聴くと、ガラッと印象が異なります。
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