PCオーディオに、レンダラーとしてSonore社のmicroRenduを入れ、音が激変したのです、の巻。(嬉) |
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2019年 05月 08日
今日の内容は、以前の記事を受けております。 あの記事はちょっと論点が散漫でした。もう一度、簡単にまとめると、こんなところでありましょう。 1.PCオーディオは、すぐれたソフトウエア(例えばAudirvana)を、現代の高速なパーソナル・コンピュータ上で使った場合、もっとも利便性が高いシステムである 2.しかし、音楽ファイルをUSB DACへ送って音楽を再生するタスクを、汎用コンピュータで実行するには、ハードウエア・ソフトウエアとも、機能が過剰で、音質に与える影響が懸念される。もっとシンプルにしたい ところで、世の中にもうすでに「ネットワークオーディオ」という製品分野があるわけで、その構成が参考になります。この分野の製品は、だいたい、音楽再生を3つの機能に分けて実現しているようです。①サーバー、②レンダラー、③コントローラー、の3つです。サーバーに音源ファイルが格納され、ユーザーはコントローラを使って、楽曲を選択し、再生を指示します。するとサーバーからレンダラーへ、音源ファイルが送られ、レンダラーがデジタル・アナログ変換を行って、アンプ・スピーカーに送り、音が出る、とこういう仕掛けです。一方、「PCオーディオ」の場合は、1台のパーソナル・コンピュータが、この3つの機能をすべてまかなっている訳です。 「ネットワークオーディオ」の構成は、欧米の大きな住居で自由なリスニング環境を作る、という点ではたしかに大きなメリットがあると思えます。ユーザー(聴き手)は、サーバー、レンダラー、アンプ類のそばにいる必要はありません。コントローラー(スマホやタブレットであることが多い)さえ手元に持っておればよいのです。また、もう一つ普通の人にとってのメリットは、慣れないコンピュータでいちいち操作する必要がない、というところにあります。そうなんですが、これらのメリットは、みっちにとっては、じつは「何の意味もない」のです。(笑)何しろ部屋は極小、ニアフィールド・リスニングですから、装置類はもともと手元にあります。また、コンピュータの操作は得意で、スマホやタブレットなぞをゴソゴソするより、コンピュータのキーボードを叩いた方が、ずっと速くて効率的なのですから。 しかし、このネットワークオーディオのシステムで、音質上大きなメリットとなりうることが、一つだけあります。見逃せません。それはレンダラーです。レンダラーを汎用コンピュータではなく、専用のコンピュータを設計して用いているシステムが、多いのです。これはPCオーディオに比べて、大きなメリットとなる可能性があります。レンダラーの行う処理は、専用の小型の処理系に適していると考えられます。WindowsやMacのような強力な汎用コンピュータを使うのは、無駄であるばかりでなく、逆に音質上のネックとなる可能性があります。 あと、そうそう、ネットワークオーディオではよくNAS(ネットワークに置かれたストレージのこと)がサーバーに使われるようですけど、これについては、みっちには、わざわざ専用に立てる必要性が感じられません。音源ファイルは常時内容が変動するものではないので、動的なバックアップの必要はないです。第一、RAIDのストライピングあるいは、ミラーリングでも、これでバックアップは完璧と思うのは甘いです。いろいろな落とし穴があります。また理屈から云って、ネットワークにストレージを置いて、音質向上に何か資するところがあるとは、到底思えません。したがって、コンピュータをコントローラーとして使うなら、ローカルストレージにファイルを置けばよいでしょう。もちろん複数のメディア(できれば種類の違うもの)にコピーを保存して、バックアップとします。 はい、こう考えてくると、どうもみっちにとっての正解は「PCオーディオにレンダラーを加えるのが理想」と、こうなってまいります。じゃあ、レンダラーをどうやって構築しましょうか。そこでまず思いつくのは、簡単な構成のコンピュータ基板に最小限のOSを乗せ、こうした処理を専用にやらせてはどうか、ということです。Linuxが載る安価なワンボードの小型コンピュータってのは、すでにいくつも市場にありますからね。しかし、これを自分でチューンするのはなかなかの難事です。ちょっと手に負えないなぁ。ほぉ、すると、もう同じことを考えた人がいて、ちゃんと製品があるじゃないですか。(爆) はい、そこで米国ボストンのSonore社(sonoreはフランス語の形容詞で、「残響の」「エコーの」位の意味です、発音はソノレ、ソノアてなところかしらん)が出している、microRenduです。その実体は、クレジットカードサイズの本当に小さなケースに入ったLinuxコンピュータで、ベースはFedora Linuxらしい。インターフェースは、イーサネット(有線)端子と、USB DACをつなぐためのUSB端子、OS格納用のSDカードスロット、それに電源端子だけです。まさに、レンダラーだけの機能を持つ製品です。 まずはセッティングをいたします。 マニュアルは公開されておりますので、興味のある方は、このリンクを参照下さい。 microRenduには、何種類かのミュージック・サーバーと接続できるソフトウエアが搭載されています。Audirvanaと接続する場合は、MPD/DLNAというアプリを選びます。(略号の意味は下記参照)なお、Settingはまったくデフォルトのままでよいです。その他の機能として、「System Settings」で、コンピュータ名や、カスタムのDACが定義できます。「Localization Settings」ではタイムゾーンと言語(英、仏とコリアンです)が選べます。Appsのタブでは、「DAC diagnostics」でmicroRenduに接続されたUSB DACの仕様が見られます。また、AudioQuest DragonFlyのように内部にボリュームを持っていて、ハード的にそれを調節する機能がないDACでも、「Set DAC to MAX volume」というボタンが用意されていて、問題なく使えます。「Software Manager」では、すでにインストールされているアプリが見え、オプションのアプリが選べます。またOSのアップデートもできるようです。現状OS(名前はSonicorbiterです)は最新版2.7となっています。あと、「System」タブから、システムのリブートと停止が選べます。とりあえず知っておくべきことは、こんなところでしょう。 略号の意味: MPDは「Music Player Daemon」の略、デーモンという名前から分かるように、これはLinuxマシン上で動く、音楽サーバ・ソフトの一種です。(フリーソフト)Unix/Linuxの世界では、バックグラウンドで動く常駐プログラムのことを、デーモンと呼びます。DLNAってのはDigital Living Network Allianceの略、これは業界団体が集まって決めた規格のようですね。とにかく記号・略号の好きな世界です。(笑)まあ、使えればよいので、あまり中身の詳細を知る必要はないでしょう。あと、この手の規格は厳密でないことが多いので、細かな点での対応は、個々のアプリケーション依存です。例えば、ギャップレス再生など、アプリ間で対応が取れないと、うまくいかないことがあるようです。注意を要します。 それで、どうやって使うのかね。Audirvanaから使えます。理屈はともあれ、作業としては、たった一カ所、AudirvanaのPreferenceでUSB DACを選ぶところ、代わりにmicroRenduを選ぶだけです。あとは何も変わりません。みっちはMacBook Pro上でAudirvanaを使っていますが、これでMacBookにはUSB DACも何も要らず、ただネットに接続できればよい、あとはmicroRenduにUSB DACを付けて、アンプにつなぐだけです。チョー簡単ですなぁ。 さて、機器のセットが済んだので、音出しをしてみます。はたして、音は変わるんでしょうか。すでにソフトはAudirvanaを使っていて、これでiTunesあたりより、かなり音質は向上しています。現状でも、それほど悪くはないんじゃないか、変えた違いがはっきりと分からないと、いやだなぁ、なんてのんきに思っていたのです。 このさいソースは何でもいいや、ということで、テキトーに選んだのは、モーツァルトのポストホルン・セレナード、以前に紹介したことのある、あの素晴らしいジャケット写真の盤です。(笑) なんだか、やけに透明で素直な音がしています、こんな音だったっけ。さらに、イザベル・ファウストさんのVnで、シューマンのピアノ・トリオ第3番を選んでみました。う~ん、いい。(驚)これは本物かもしれない、ということで、アバド/VPOの「ローエングリン」DGG盤の第1幕後半を掛けてみます。神明裁判を前にしたハインリッヒ王の詠唱、ここのところが、特に大好きなのであります。 dass du dem Kampf zugegen seist! 神よ、あなたが、戦いに臨まれますように! Durch Schwertes Sieg ein Urteil sprich, 剣による勝利で、審判が下り das Trug und Wahrheit klar erweist! 欺瞞と真実が、明らかとなりますように! Des Reinen Arm gib Heldenkraft, 汚れなき腕には、英傑の力を与え、 des Falschen Stärke sei erschlafft! 偽りの強さを、挫きたまえ! So hilf uns, Gott, zu dieser Frist, われらを助けたまえ、神よ、今この時 weil unsre Weisheit Einfalt ist! われらの知恵は、限りがあるのですから! (対訳はみっちです) ってまぁ、この盤のハインリッヒ王役はクルト・モルですから、悪いわけはないのですが、それにしても素晴らしい、実演では、とんと納得のいく歌唱を聴いた覚えのないところです。はい、ギャップレス再生もちゃんと効いています。文句なしですね。 はい、みっちが間違っておりました。(笑)レンダラーの入れ替えは、たしかに効果があります。それにしても、これほど変わるとは。(驚)解像度が上がった感があり、合唱隊の一人一人が見える気がいたします。そして静謐感がぐんと増しました。いつもよりボリュームを上げても、耳障りな音にならないばかりか、逆に深夜など、音を極端に絞ったときにも、音像はクリアなままなのです。これは一体... Audirvanaのダミアン・プリソンDamien Plisson(創立者、フランス人)と、Sonore社のジーザス・ロドリゲスJesus Rodriguez(社長)、よい仕事をしています。目が離せません。というところで、今回はおしまいです。
by mitch_hagane
| 2019-05-08 20:35
| 3.音楽
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