フィリップ・プルマンの一連のシリーズ主人公ライラの生年を調べる、その再考の巻。 |
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2019年 02月 22日
追記があります。 以前の過去記事で、ライラの生年を調べたことがありました。その内容は不完全で、誤っておりました。(汗)ということで、改めて書くことにいたします。 まず最初にライラの生年を調べるのでなく、彼女と行動を共にする主人公の一人、ウイリアム(ウィル)・パリ-の生年から調べます。 1.まず彼が登場する最初のシーン、「神秘の短剣」第1章の最初の部分で、彼が12歳であることが分かります。『12歳にもなる子が母親の手を握っているなんていやだったが、...』 2.「神秘の短剣」第4章、弁護士アラン・パーキンスに年を訊かれて、『12歳です』と答えています。 3.「神秘の短剣」第5章で、彼は母親が大事にしていた緑の革のライティング・ケースを開けて、父親(ジョン・パリー)の手紙を読みます。この手紙の日付は、1985年6月19、22、24日、そして『ウィルはこの手紙が書かれた時には、ほんの赤ん坊だったjust a baby』とあります。 4.「神秘の短剣」第10章で、ジョン・パリーがリー・スコズビーに身の上を語り、『12年前に、私は探検を行った...』とあります。 これらの事実から、ウィルは1985年の初め頃(残念ながら何月かは特定できない)の生まれ、そして「神秘の短剣」事件は1997年に起き、その時彼は12歳であった(つまり誕生日を過ぎていた)ということになります。 つぎにライラです。 a.「黄金の羅針盤」第2部ボルバンガー第14章で、捕まったライラが看護婦に年を訊かれて、『11歳』と答えています。ただし、このとき彼女はリジー・ブルックスという偽名を騙っており、年齢を正直に答えたかどうか、分かりません。でも、わざわざ年を誤魔化す必要もなかったように思われます。 b.「琥珀の望遠鏡」第24章で、コールター夫人はヒュー・マクフェイルに『私の娘は今や12歳になりましたMy daughter is now twelve years old.』と語っています。 c.「ダストの書」第1巻「美しき野性号La Belle Sauvage」の第2章を読むと、この事件が起きたのは2月であることが分かります。『薄暗い2月の日差しが当たるテーブルにthe table in the pale February sunlight...』また、このときライラは生後6ヶ月ほどsix months old or soであることが示されています。(同書第3章、第6章、第7章、第10章)したがって、ライラは「野性号」事件の前年の8月生まれということになります。 d.また同じく「野性号」第4章ウプサラ大学のシーンでは、コーラム・ヴァン・テクセル(「黄金の羅針盤」のファーダー・コーラム)が登場し、彼のデーモンの猫の毛並みについて、「10年後そしてて20年後に、ライラはそのデーモンの毛並みの色合いを愛でることになる。」とあります。「野性号」事件の10年後に「黄金の羅針盤」事件が起きるのです。また20年後というのは、未刊の「ダストの書」第2巻「秘密の連邦」事件を指すと思われます。 e.「黄金の羅針盤」の発生年は記されていませんが、その起こった時期は秋から冬にかけてであると思われます。コールター夫人がライラをロンドンへ連れていったとき、「時は過ぎ、季節は秋から冬へ変わりはじめた。...ライラがそこに住みだしてから6週間かそこらが経った。」とあります。 f.「神秘の短剣」の発生年が1997年なのは、ウィルの年齢からして確実ですが、何月かははっきりしません。ただ季節は冬ではなく、暖かい時候でなかったかと思われます。ウィルとライラは常夏のチタガッセからオックスフォードへたびたび行き来しますが、服装に気を使う(防寒など)様子はないからです。そうすると、「神秘の短剣」の発生年は「黄金の羅針盤」の翌年、冬が終わって以降、と考えられます。 はい、こうした情報から、みっちはライラの生年と、各事件の発生年代をこう推定いたします。ライラとウィルは生まれ月は違いますが、同い年なんですね。 1985年初め:ウィル生まれる 1985年8月:ライラ生まれる 1986年2月:ライラ生後6ヶ月、「野性号」事件 (10年経過) 1996年初め:ウィル11歳になる 同年8月:ライラ11歳になる 同年秋:「黄金の羅針盤」事件 1997年初め:ウィル12歳になる 同年春か?:「神秘の短剣」事件 同年8月:ライラ12歳になる、「琥珀の望遠鏡」事件 (「野性号」事件から20年経過) 2006年:(8月までは)ライラ20歳、「秘密の連邦」事件 以下追記です おまけなんですが、ロード・アスリエルとコールター夫人の生年(年齢)についても、触れておきましょう。 まず、コールター夫人(マリッサ・コールター)は「琥珀の望遠鏡」事件の時に35歳でした。物語の大詰め近く、彼女は自分のデーモン(黄金の猿)を見つめて、「黄金の猿の表情は、彼らの35年の生涯の間いつもそうだったように、神秘的で複雑であった。」とあります。したがって、彼女は1962年生まれということになり、ライラを生んだのは23歳の時です。 一方ロード・アスリエルの方は手掛かりが少ないのですが、「黄金の羅針盤」のラスト近く、彼の召使いソーロルドが、「彼(ロード・アスリエル)は40年近く私のマスターであり、研究対象でありました。」と云っています。彼がアスリエルが赤ん坊であったころからの召使いだとすると、ロード・アスリエルの年齢は40歳前後、生年は1956年前後ということになります。 ところが、ロード・アスリエルに関しては、もう一つ情報があります。「黄金の羅針盤」の最初の方で、ジプシーたちが彼の功績を並べるところで、「53年の洪水の時には夜昼なく働いて...」とあります。これが1953年のことだとすると、アスリエルはもっとずっと年寄りでなければならず、1953年時に仮に18歳だとしても、生年は1935年位となります。これだとマリッサと会った時に、50歳かぁ。(汗)「琥珀の望遠鏡」事件の時、60歳ですねぇ。まあ、あり得ないと云うほどではないですが、ちょっとこれはどう考えるかであります。(笑) 以上追記終わり なお、記事冒頭の画像は、本文記事とは関係なく、アルプレヒト・デューラーの「聖ヒエロニムスの書斎」です。有名な絵ですけど、ここに書かれている事物は、すべて象徴的な意味があると思われます。ドクロと十字架、聖ヒエロニムスは一直線上にありますけど、これも意図的なんでしょう。
by mitch_hagane
| 2019-02-22 14:25
| 5.本
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