果たして、リヒアルト・シュトラウスは「パルジファル」を、どれほど速いテンポで指揮したのだろうか、「ヒトラーとバイロイト音楽祭 ヴィニフレート・ワーグナーの生涯」を読み解く、その2回目の巻。 |
ブーレーズは、バイロイトの資料館に保存されていた記録を調べて確認したと述べています。
ちなみにブーレーズによる66年のバイロイトでのパルジファルの演奏時間は、第1幕100分、第2幕60分、第3幕70分(総計230分)だったそうです。
これらを見ると、クラウスの《パルジファル》録音の演奏時間あたりが、ヴァーグナーの初演に近いものだったように思われます。
有益な情報ありがとうございます。
ほぉ、レヴィの1882年バイロイトは243分ですか。
クラウスの1953年バイロイト盤は237分ですね。
手持ちのCDを調べて見ましたら、ティーレマンの2005年ウィーン歌劇場盤が、ちょうど同じ243分でした。
偶然かどうか知りませんが、ピタリ一致しています。
本文中で触れた「Aspects of Wagner」は孫引きで、現物をまだ読んでおりません。もうしばらくすると、届くと思うので、さらに詳しい情報がないか、調べて見ます。
シュトラウスの演奏時間の記録もどこかで見られないでしょうか。
http://www.monsalvat.no/discogra.htm
それに依ると、以下のようになっています。(もっと詳しいデータが、当該サイトにはあります)
レヴィ、1882年、107分、62分、75分、計244分
フィッシャー、1882年、110分、70分、83分、計263分
ムック、1901年、116分、67分、83分、計266分
ジークフリート・ワーグナー、1909年、109分、69分、85分、計263分
トスカニーニ、1931年、126分、72分、90分、計288分
R.シュトラウス、1933年、106分、64分、78分、計248分
ブーレーズ、1966年、99分、61分、69分、計229分
まあ、こういうことで、本文記事の6項に挙げた
『トスカニーニの1931年「パルジファル」演奏は4時間48分だったそうです。すると、ムックの「パルジファル」は4時間25分(23分短い)、シュトラウスの「パルジファル」は4時間8分(40分短い)ということになります』
という推定は、どうやら正しい、ということのようです。
そうですね。
それと、ポスターの開演時間は、あくまで目安なのが分かります。このとおりにいくと、第1幕終了後の休憩は1時間取れません。ブーレーズが振ってもダメですねぇ。(笑)
ちなみに、1883年のポスターを見ても、同じ時間が書かれています。