はぁ、あの「黄金の羅針盤」「ライラの冒険」三部作の続編がついに、発行されたのです!
今年の2月に、「The Collectors」を読んだ感想を載せました。
このときは、「The Book of Dust」の刊行は来年かなぁ、と思っていたのですが、この10月19日に発売されました。さっそくKindle版を入手して、読んでおります。あまり、慌てて読んで、愉しみがすぐ終わってはつまらないので、ゆっくりと一章一章丁寧に読んでおります。(笑)
この「The Book of Dust」は三部作が予定されているらしく、第1巻は「LA BELLE SAUVAGE」(「美しき野性号」)という副題になっています。これは、今回の主人公(らしき)11歳のマルコム・ポルステッド少年が、愛用するカヌーの名前です。
さて、舞台はオックスフォード郊外、私たちの世界ととても似ているが、非なるパラレル・ワールドです。まずは、カレッジの並ぶオックスフォードの中心から、テムズ川を3マイル遡ったところにある、「ゴッドストウ修道院」Priory of Godstowと、その対岸にある「鱒の宿」The Troutという名の宿場が紹介されます。
ゴッドストウ修道院には、優しい修道女たちが勤め、鱒の宿には、前述のマルコム少年がいます。宿はマルコムの両親が切り盛りしているのです。
とまあ、魅力的な語り口で、話は始まるのですが、次第にこれは「黄金の羅針盤」の10年は前の話、前日譚であることが分かってきます。ゴッドストウ修道院には、秘密にかくまわれた生後6ヶ月の女の赤子がいるらしい。マルコム少年は、偶然の出来事から、この赤子をめぐる大陰謀に巻き込まれていくのです。
ははは、お察しのとおり、この赤子はライラです。「黄金の羅針盤」では、冒頭いきなりライラがオックスフォードのカレッジにいるところから始まりましたが、今回の前日譚で、それまでの事情が明らかになるのでしょう。
さて、本日はこれ位なんですが、今回の舞台である、オックスフォードはむろん実在ですし(ジョーダン・カレッジは架空ですが)、オックスフォードからテムズ川を遡ると、ゴッドストウという場所は確かにあります。ここにGodstow Abbeyという修道院跡がありますし、なんと川の対岸にはThe Trout Innも現実に存在するのです。(驚)
(注記:Googleのストリートビューでは、
こんな感じです)
マルコム少年は、Ulvercote Elementary Schoolという学校に通っていることになっていますが、近くには似た名前のWolvercote Primary Schoolがあるのです。
いやぁ、こういうところの凝りようが、何とも云えません。
この本については、読み終えたところで、もう一度感想を書くつもりです。