PCオーディオって、なんだか語感がよろしくないのですが、まずは全体像を軽く整理してみました、の巻。 |
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2017年 06月 15日
「PCオーディオ」って、たぶん和製英語だと思うのですが、云わんとしていることは、「パソコンを本格的なHiFiオーディオ装置のソースに使う」ということでしょう。 「PC」はこの場合パソコンPersonal Computerの略のつもりなんでしょうね。ところで、ふつう「PC」というと伝統的に、IBM-PCとそのコンパチ機からの連想で、DOS、Windows機のことを指します。英語圏でも、MacをPCとはあまり呼ばないのです。 まあ、そんなことを云っていると話が進まないので、とりあえずここでは「PCオーディオ」としておきましょう。 アナログ全盛期のステレオ構成はこんな具合でした。 LPレコード→レコード・カートリッジ→トーン・アームとターン・テーブル→プリアンプ(必要ならヘッドアンプor昇圧トランスを使う)→パワーアンプ→スピーカー もちろんデジタルなんてお下品なものは皆目なかったのですねぇ。(笑) CD全盛の時代になると、こうなりました。 CDプレーヤー(内蔵DAC)→プリアンプ→パワーアンプ→スピーカー CDプレーヤー内のDACでデジタル・アナログ変換をいたします。以降はアナログです。この辺でプリアンプの存在意義が怪しくなってまいりました。 いまやPCオーディオですと、こうです。 PC(WindowsまたはMac)→DAC→(プリアンプ)→パワーアンプ→スピーカー プリアンプの立場は、ますます心細いです。 さて、DACですが、PCにUSB接続のDACを付けてデジタル・アナログ変換をするというのが、一般的でしょう、Macなどですと光出力という手もあるのですが、ジッター(デジタル・クロックの揺れに起因する歪み)が多いとかで敬遠されがちです。 このDAC以降はアナログですから、今までと特に違いはありません。 はい、それではPC内で行われる工程をもう少し詳しく見てみましょう。 ちなみに、みっちは音楽CD(16ビット44.1kHz)しか聴かないので、「ハイレゾ」の話は出てきません。 1.音楽CDをリッピングする この工程で問題になるのは、音楽CDからにいかに「ビット・パーフェクト」にデータをリッピングしてくるか、ということです。 過去記事あります。 結論としては、パイオニア製のPure Driveを使うことに尽きます。みっちはパイオニアの回し者ではなく、また特定商品に限定するのは芳しいこととは思いませんが、他に類似の製品がないので、やむを得ません。 なお、リッピング・ソフトウエアは色々ありますけれど、どのソフトであれ、この「ビット・パーフェクト」なリッピングに、別に大した貢献をするわけではないです。読み取りドライブ側で全ては決まってしまい、せいぜいできることといったら、読めなかった場合に再トライを要求することぐらいですので。したがって、どれを使っても同じです。iTunesに慣れておれば、それでよいでしょう。 2.音楽ファイルを保存する ディスクに保管するに決まっているのですが、巷ではずいぶんとおかしな妄説が出回っているようです。ストレージはSSDがよいとか、あるいはHDDがよいとか、果ては特定のメーカーのなんとか製品の音がよいとか、あげくはファイルを保存するディレクトリの階層は浅い方がいい、とかですね。この工程は、まったく普通のコンピュータ処理ですので、どんなストレージにどう保管しようが、バイナリー・データは全く同じです。1ビットたりとも失ったり、改変されたりしません。したがって、なんだって、構いません。 3.音楽ファイルのフォーマットの選び方 「ビット・パーフェクト」にこだわるなら、圧縮しないフォーマットか、圧縮するなら可逆圧縮のフォーマットを選びます。 可逆圧縮なら、再生時には完全に伸長されるので、結果はどちらでも同じです。ストレージの面からすると、可逆圧縮のフォーマットなら、圧縮しないフォーマットより少し小さくなります。ただ、少しです。可逆なのでそれほど小さくはなりません。 そうなると、フォーマットは、WAV、Appleロスレス、FLACというところから選ぶことになります。ただ、iTunesをリッピングとライブラリ管理に使う場合は、Appleロスレスが便利です。なぜなら、iTunesはWAVファイルのタグ処理に問題があるし、FLACは扱えないからです。 4.パソコンのOSと音楽ライブラリ(API)、音楽再生用ソフトウエア 過去記事があります。 結論だけ、再掲しましょう。 a.Windows標準のAPIを通すと、音質が劣化するようである。 b.Windows標準のAPIには、音質劣化をさけるバイパス(WASAPIの排他モード)があるが、iTunesは対応していない、またASIOにもiTunesは対応していない c.とことんピュアな音を求めるのであれば、Windows機では、WASAPIの排他モードかASIOを使って、iTunes以外の音楽再生ソフト、foobar2000などを使う。MacではOS X用Core Audio APIを通さないiTunes以外の音楽再生ソフト、Audirvana Plusなどを選ぶ さて、それで上記のような対応を取ったとき、Windows機とMacでは、どちらがよいのか? これは難しい問題ですが、みっちはどちらでも、ほとんど変わらないと考えます。互いにOSのAPIの影響はミニマムにした状態ですので、音楽再生ソフトは音楽ファイルのバイナリー・データをUSBへ送るだけです。難しい処理ではなさそう。また、ハードウエア的には今やWindows機もMacも同等で、差はないと見てよいでしょう。 よく、Macを絶対視して、Macがなんでも素晴らしいとおっしゃる向きもありますが、みっちはそうは思っていません。例えばOSにしても、そうです。(詳しくは、末尾のみっち注参照) 5.USB接続でDACをつなぐ このDACは音を決める重要な要素です。ただ、PCとDACをつなぐUSBケーブルは、特殊なものを使う必要はないし、長さを縮めるなどという小細工も、無意味です。取り回しが不便なだけです。通常のコンピュータ用のケーブルでビット欠けが起こるなどと云うことはあり得ません。 DACのデジタル→アナログ変換は、けっこうなコンピュータ処理ですので、専用のチップ(DACチップ)を使うのがふつうです。TIのバーブラウンBurrBrown、旭化成エレクトロニクス、ESS Technologyといった会社の製品が有名です。 なお、英国Chord社の製品だけは、こうしたDACチップを使わず、汎用FPGAに自社独自のアルゴリズムを搭載して使っています。これは面白いですねぇ。 DACはアナログ部分を含むので、間違いなく音が変わります。慎重に選ぶ必要があります、というか、いくつか買って、好みのものを選択するというのが普通じゃないでしょうか。かっての、アナログ再生の時の、レコード・カートリッジ交換みたいなものです。往時は、特定のLPレコードを再生する専用のカートリッジを決めている、なんて人は一杯おりました。DACの交換は、カートリッジ交換と同等あるいはそれ以上に簡単ですから。 はい、とりあえず、本日はここまで。 記事冒頭の画像は、みっちのPCオーディオの要、RME社のデジタル・ミキサーのコントロール画面です。MacBook Pro Retina 13inchのスクリーン・ショット、Dockを右に持ってきているのは、「画面共有」したときに、どのMacの画面か一目で分かるようにするためです。 みっち注: -----WindowsとMacの比較----- WindowsのOSはそのカーネルまでも独自開発のものです。一方、MacのOSのカーネルは古く良きBSD Unixです。そもそも、歴史的に見て、商用的にも、性能的にも成功して現在に至る独自開発のOSは、2つだけです。Windows NTと、あとはUnix(1960年代にベル研で開発-その亜流である1990年代開発のLinuxを含む)のみです。 Windows NTは、1980年代後半IBMがマイクロソフトと組んで、PC-DOSの後継として、ひたすらOS/2を開発していたとき、その裏でマイクロソフトが用意していた極秘プロジェクトです。開発を担当したDEC社出身のデヴィッド・カトラーの名はつとに有名です。 その後、OS/2は無残な結果となったのは、ご承知のとおり。 Windows NTは、その後Windows2000、Vista、XP、7、8/8.1、10の母体となりました。商用サーバーとしてのニーズに十分応えられる強力なOSです。なお、同じWindowsとは名前は付いていても、95/98/98SE/Meといった系列のOSは、民生用にDOSを厚化粧したものに過ぎず、全く別物であります。 一方のMac OSは、1990年代初め頃はSystem 6で、その使い勝手の良さで、当時のWindows3.1を圧倒しておりました。この時は、みっちもIIciやPowerBook170などを購入して、すっかりMac党でありました。 しかし、鳴り物入りで登場したSystem 7は全く期待外れであり、その後Macは長い低迷の時代を呻吟いたします。さらに新OSとして期待されたCoplandプロジェクトが挫折し、これはもういよいよ駄目かと、誰もが思いました。そこへ救世主(ジョブスです-笑)が文字どおり復活したのです。しかし、Apple社にはすでに新たなOSを作り出す余裕はなく、ジョブズのNeXT社の技術を活かして、BSD Unixベースの新OSが作られました。これがOS Xの系譜です。 ですから、OSのカーネルに関して云えば、Windowsの方がMacよりもずっとオリジナリティがあります。また、現在のIntel CPUを使うMacでは、ハードウエアはオリジナルではありません、そんな余裕はないのです、そっくりWindows機と同じになっています。よって、Windowsを(Boot Campを使って)Macにインストールすれば、完全なWindows機として使えます。 以上のような経過を振り返っても、Macを絶対視する理由は見つかりません。みっちはコンピュータ・フリークでありますから、Windows機もMacも両方好きです。(笑)
by mitch_hagane
| 2017-06-15 17:28
| 4.コンピュータ
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