ウィーン国立歌劇場の「ナクソス島のアリアドネ」を観て、ダニエラ・ファリーのツェルビネッタ役に痺れました、の巻。(愉) |
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2016年 10月 28日
はい、上野東京文化会館から、今戻ってまいりました。 ウィーン国立歌劇場の「ナクソス島のアリアドネ」、いやぁ、今年の秋コンサート・シーズンの白眉であります。 「ナクソス島のアリアドネ」というオペラは、リヒアルト・シュトラウスのオペラのなかでも、特にオーケストラが小編成でありまして、みっちもオーケストラ・ピットを見て、あれっ、これだけかと思いました。(笑) そうそう、バッカス役は、当初ヨハン・ボータJohan Bothaの予定だったのですが、彼が9月8日に51歳の若さで急逝したため、スティーヴン・グールドに交代です。 ボータさんは、2011年のケント・ナガノ指揮、バイエルン国立歌劇場「ローエングリン」日本公演で、ヨナス・カウフマン降板の後を受けて、タイトルロールを歌いました。 みっちはこの公演2回観ましたので、印象強烈です。 この年は東北の大震災の年でして、福島原発事故のため、日本があと一歩で崩壊するところまで行った時でありました。各国大使館はこぞって国外ないし関西方面に避難し、麻布界隈からは、あれほど居た外国人が一人残らず消えました。 クラシックの公演も出演者のキャンセル続出でしたね。まあ、そうした状況下で、ヴァルトラウト・マイヤーさんは来日してくれたし、ボータさんも喜んで代役を引き受けてくれたそうで、そういう点でも印象深いです。 巨躯の彼が、ちょっと苦しげに「ローエングリン」の舞台を上がり下がりしていた(セットが2階建てだった)姿が目に浮かびます。 今日の公演の話に戻りましょう。 以前に今日の指揮者ヤノフスキーのインタビュー記事を紹介しました。 『今でも、ヨーロッパでは演出の問題を考えると、演奏会形式の方が良いと思っています。特に、ワーグナー作品の場合には、音楽の中にシーンがある。それを純粋に描くことができるからです。でも、どんな作品でもそうではありません。たとえば、《ナクソス島のアリアドネ》は、演奏会形式では意味がないのです。』 こう言ってましたねぇ。 では、なぜ「ナクソス島のアリアドネ」は演奏会形式では意味がないのか? そこに今日のオペラの愉しみの神髄があるのです。(笑) 記事冒頭の画像は、ツェルビネッタ役のダニエラ・ファリーです。(公演プログラムより拝借) これは、見かけどおりのコケティッシュな役柄で、一応主役であるはずのアリアドネ役よりも、重要な役割を果たします。アリアドネ役は、言っちゃ悪いが、立派に歌いさえすれば、それで充分。 でも、ツェルビネッタはプロローグで作曲家を籠絡し、続いての1幕では、アリアドネに男女の機微を説いて慰めます。ツェルビネッタには、歌唱に加えて演技力、それもただ芝居ができるだけでなく、観客まで巻き込むだけの説得力のある力量が必要です。 だから、CDではもう一つ魅力が伝わらないし、演奏会形式では駄目なんです。 さらに言うなら、リヒアルト・シュトラウスのオペラには、モーツァルトのような「音楽の強靱さ」はありません。ですから、どうしても舞台装置・美術・衣装など全体にウィーンという街に染みついた洒脱・魅力が必要なんです。 はい、それでは今日のダニエラ・ファリーさんの出来はぁ? 素晴らしかったです、いや本当に。 背筋がゾクッとするシーンが何度もありました。それに何といってもヤノフスキとウィーンの音は最高です。至福の時間でしたなぁ。(嬉) といったところが本日の感想かな。家に帰ってきましたが、まだまだ興奮醒めやらぬ状況であります。コーヒーでも淹れて飲みますかねぇ。 いや、待て、明日は早朝からテニスだった。う~ん、というところで本日はお終いです。(汗) 付録:今日の配役 指揮:マレク・ヤノフスキMarek Janowski 演出:スヴェン=エリック・ベヒトルフSven-Eric Bechtolf 音楽教師:マルクス・アイヒェMarkus Eiche 作曲家:ステファニー・ハウツィールStephanie Houtzeel テノール歌手/バッカス:スティーヴン・グールドStephen Gould ツェルビネッタ:ダニエラ・ファリーDaniela Fally プリマドンナ/アリアドネ:グン=ブリット・バークミンGun-Brit Barkmin ウィーン国立歌劇場管弦楽団 Orchester der Wiener Staatsoper スティーヴン・グールドは新国立劇場の「指輪」シリーズでローゲ&ジークフリート役ですね。みっちは、新国立劇場の「指輪」は見放してしまったので、知りませんが。(笑) なお、詳細な配役表はここにあります。 以上
by mitch_hagane
| 2016-10-28 22:45
| 3.音楽
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