昔々の追憶に負けて、『良い音とは良いスピーカーとは?』なんてムックを買ってしまった、の巻。(汗) |
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2016年 03月 09日
副題には『瀬川冬樹著作集』とありますが、実態は、「Stereo Sound」誌のバックナンバーの復刻にすぎません。(汗) デジタルスキャンによる復刻でしょうから、少し活字が見難いです。 みっちは、過去にリアルタイムで、瀬川さんの文章は読んでいます。まだまだ、記憶に新しい文章も多い。それでも、ついこんなムックを買ってしまったのは、みっちには珍しく感傷にほだされたからでしょうかね。 だが、もはや記憶から薄れている記事もあります。例えば、このムックの最後に収められている「シンポジウム オーディオシステムにおける音の音楽的意味あいをさぐる」あたりです。 パネラーは、岡俊雄、黒田恭一、瀬川冬樹の3氏です。いずれも故人、と書かざるを得ないのが寂しい。 黒田恭一さんはこんなことを仰っている。 『同じブラームスの交響曲のレコードでも、たとえばカラヤン指揮ベルリン・フィルが出してくる音は、ぼくは寒色系だと思いますが、たとえばザンデルリンクが指揮したドレスデン・シュターツカペレの出してくる音は暖色系なんですね。』 おおっ、我が意を得たりです。ザンデルリンク/シュターツカペレ・ドレスデンのブラームス交響曲集は、みっちの最高のお気に入りです。 また、こうも仰る。『たとえばポリーニの音が聴きたいのか、それともグルダの音が聴きたいのか、ということがある。ピアノの音でいいますとね。つまりポリーニのようなカチッとした音が好きな人もいれば、グルダみたいにそれほどカチッとしていない音が好きな人もいるはずです。オーケストラでいえば、たとえばベルリン・フィルの音が好きな人もいるだろうし、ウィーン・フィルの音が好きな人もいるでしょう。...そこでぼくの好みということでいえば、ぼくはポリーニやベルリン・フィルの硬質な感じのする音が、割り合いに好きなのです。』 ここでも、ポリーニに関しては、みっちの好みは同じです。ああっ、黒田さんはやっぱり良かった。ここで、過去形で書かなくてはならないのが、つらいです。 そして、オーディオの限界についても、明快にこう語る。 黒田恭一『声楽家の声量の大小、あるいはピアニストの音量の大小、これはレコードではまずわかりませんね。だから演奏家同志の声量あるいは音量の差というものは、レコードで判断することはたいへん危険なんです。たとえばレコードで、ある歌い手の声が、とても大きく、華やかに聴こえるとか、その反対に小さく、貧弱に聴こえるとかいおうとすることは、とてもきわどいところだと思っています。』 瀬川冬樹『ところがオペラの舞台で聴けばそれが歴然とわかる。そのことひとつだけをとったとしても、生にはレコードでは絶対に聴くことのできないよさがあると思うのです。』 初出はいずれも「ステレオサウンド別冊「コンポーネントの世界」(1975)」です。おおっ、1975年、それは、みっちが最もオーディオに溺れていた時代でありました。今こうして読み直してみて、あの時代にオーディオに浸ることができて、良かったな、と思いました。 はい、今回は感傷特集でありました。(汗)
by mitch_hagane
| 2016-03-09 19:47
| 3.音楽
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