ヘルベルト・フォン・カラヤンのベートーヴェン交響曲集、1950年代録音を聴く、の巻。 |
これを初めて聴いたときは、まだ多感な(笑)大学生の頃、学園紛争で荒れた学生寮の一室でした。
傷だらけのエンジェル盤LPを、ちびたセラミック・カートリッジで聴いたのです。
後年、CDトランスファーされたものを購入しましたが、まあ容易に想像されるとおり、昔日の感激は帰ってこなかったですね。(笑)
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2016年 02月 18日
はい、日本の音楽マニア、オーディオ・マニアの方は、カラヤンと聞くと「けっ!」という人が多いようでありますが、みっちは割とカラヤン好きであります。(笑) カラヤンのベートーヴェン交響曲集は、ドイツ・グラモフォン盤で、1960年代、70年代、80年代と揃えています。 そこで1950年代の全集もと、こうなったんですね。これはフィルハーモニアとの録音です。そして、何といっても話題は、第9交響曲のステレオ盤が見つかったこと。(驚) もともとは、全てモノーラルでリリースされたものなんです。 第1交響曲から第8交響曲までは、ロンドンのキングスウエイ・ホールでの録音ですが、第9だけは、ウィーンのムジークフェラインなんです。それで実験的に、この第9交響曲だけ、ステレオでも収録していたのだという。 ライナー・ノートには、オーケストラとマイクの配置を示すポンチ絵が。(愉) そして、メモが。 メモは手書きなので、みっちが読んでみました。 『New Equipment. General Level -16. Orchestral Tone Sacrifies in 4th mov in order to get a decent chor sound. Timps moved on 3rd day of Rec to extreme left. Monaural mike used on Timps to pull them back (Electrically) to their org position. Monaural mike injected (Centre) for soloists. Microfone Post'n. (A)27' High 2'in front of conductor *Directed to centre of orch. (B)For 4th mov. mike 24' high *Tilted more toward orch. For 1st, 2nd & 3rd mov. Postn 'A' - 4th mov Postn 'B' Timpani moved on 27/7/55 (Monaural injection with Timp. on Right)』 そして、みっち訳。 『新型装置。全体のレベルは-16。(みっち注:dBか?)オーケストラの響きは、4楽章では合唱のサウンドをうまく響かせるために、犠牲にしている。ティンパニは録音第3日目に一番左へ移動した。モノーラル・マイクをティンパニに使い、(電気的に)元の場所の方に引き寄せるようにしている。 モノーラル・マイクをソリストたち(の中央)に当てている。 マイクロフォンの位置 (A)27(みっち注:単位がフィートなら8.2m)の高さに2本、指揮者の前。オーケストラの中央に向ける (B)4楽章については、マイクは24(みっち注:単位がフィートなら7.3m)の高さ。オーケストラの方に、もっと傾ける。 1楽章、2楽章、3楽章はAの位置、4楽章の位置はB。 ティンパニは1955年7月27日に移動した。(ティンパニを右に向けるようモノーラル・マイクを当てる)』 みっち注:27と24がもしインチだとすると、69cm、61cmとなって、ちょっと低すぎるかと思いました。 これはオーディオ的には、とっても面白い録音ですねぇ。 第1楽章でティンパニは右端に定位しています。 ところが、第2楽章以降では、中央定位です。(驚) ソリストは中央定位ですが、合唱は左端に寄っています。 ポンチ絵とメモを照らし合わせると、こういうことでしょうか。 ①第1楽章は1955年7月27日より前に録音した。それでティンパニは右端に位置する ②1955年7月27日以降に第2楽章以下を録音。そのため、ティンパニは左に移っている。ただし、ティンパニにモノーラル・マイクを当てたので、ミキシングにより、ティンパニは中央に定位するようになった。 ③合唱の入る第4楽章では、合唱を活かすため、管楽器やティンパニの位置をマイクから遠ざけたのでしょうか。メイン・マイクは指揮者の頭上で、いわゆるワンポイント・ステレオ・マイク録音だと思われます。ポンチ絵にはバイノーラル・マイクロフォンと書いてありますね。 それにしても、これは珍盤ですねぇ。 音質はとてもシンプルで、小細工がなく、自然な良い感じです。これはマルチマイクの収録ではないです。メジャー・レーベルでこんなステレオ録音のは、ないんじゃないですか。いやぁ、面白いです。 (書き忘れましたが、CDセットには、ちゃんとモノーラル版の第9も入っていますので、ご心配なく-笑)
by mitch_hagane
| 2016-02-18 19:08
| 3.音楽
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Comments(2)
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by
TG
at 2016-02-19 20:00
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直接は関係ありませんが、昔LPに時々人工ステレオがありました。よく「モノラルで録音したものはそのままモノラルで聴くべきだ」などとの声が一部でありましたが、私が購入したものにはそんな悪い印象はなかったせいか、フルトヴェングラーが聞いたら顔を真っ赤にして「なぜ俺のレコードをみんな人工ステレオにしないんだ!」と怒鳴るのではないかと思っていました(笑)。CD時代ではリマスター次第でいくらでも音が変わってしまうのですから、要は当初の録音の印象を変えない範囲でいかに聴きやすい音にするかが肝要だと思います。
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by
mitch_hagane at 2016-02-19 22:02
フルトヴェングラーの疑似ステレオというと、みっち的には例の1951年バイロイトの第9交響曲ブライトクランク盤です。
これを初めて聴いたときは、まだ多感な(笑)大学生の頃、学園紛争で荒れた学生寮の一室でした。 傷だらけのエンジェル盤LPを、ちびたセラミック・カートリッジで聴いたのです。 後年、CDトランスファーされたものを購入しましたが、まあ容易に想像されるとおり、昔日の感激は帰ってこなかったですね。(笑)
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