みっち、Google検索事件簿その一の巻(笑) |
安國麻衣さんの主宰される素敵なブログサイト『Affiche -Yasukuni Mai』に、こんな記事が載ったのだ。
『Mezzetino mit Gitarre_Watteau 』
要は、このレコード・ジャケットの写真にある絵の出所を調べられないか、というもの。
みっちは、こういうの大好きである。(大笑)
で、すぐに飛びついてみた。
まず、みっちの思考は、
作者名:Antoine Watteau
作品名:『Mezzetino mit Gitarre』
これがはっきり分かっているので、検索なんて訳ないんじゃあ?、とまずは舐めてかかった。(汗)
おかげで、後でさんざん苦労するのである。(笑)
序盤:
で、英語版Wikipediaで、『Antoine Watteau』を引いて、調べ始める。
英語版を用いるのは、それが一番詳しかったからである。
場合によっては、他言語版のWikiを参照した方が良い場合もある。(例えば、ポーランドの修道院を調べていた時は、ドイツ語版Wikiを見ていた。これがポーランド語版、英語版よりも詳しかったので。みっちは、英語以外は得意でないので、他言語の場合は、Googleの自動翻訳を使って、『英語』に翻訳して見ている。『日本語』に翻訳させると、精度が悪くて読み難いので。)
さて、英語版『Antoine Watteau』を読み、そこに挙げられている『External links』をチェックした。
ノー・ヒットである。(汗)
中盤:
ありゃ、と思ったが、気を取り直して、作品名・作者名で、Google検索をかける。
ここで、作品名がドイツ語表記であることに、初めて気がつく。(汗)ははぁ、これはドイツ・グラマフォンのレコード・ジャケットだからだな、と想像する。mit Gitarreは英語では、with Guitarである。
ちなみに、MezzetinoとMezzetinは同じ意味である。喜劇のキャラクターの一つで、伝統的に、こういうベレー帽を被り、襞襟のジャケットを着ているのだ。
さて、検索をかけると、メトロポリタン美術館所蔵の『Mezzetin』ばかりが、ヒットする。
メトのMezzetinの方が、圧倒的に有名なので、『Mezzetino mit Gitarre』の方は、いくら検索しても、よいヒットが得られない。
ここで、検索は、もちろんオリジナルのドイツ語でもやり、英語でも試みている。しかし、ノー・ヒットだ。
なあんだ、ここまでの所は、依頼主のブログにも書かれているじゃないか。
みっちの検索能力なんて、大したことないなぁ。(大汗)
終盤:
ここで、いったん戦線を撤退して、頭を整理してみる。(笑)
まあ、降参するというのも、良い戦法ではある。(大笑)
う~ん、でも何とかして、メトのMezzetinと区別して、検索したい。しかし、標題が似通っており、絵の内容もギターを抱えたMezzetin(o)で同じ。しかも相手はかなりの有名絵画なので、これに埋もれてしまって、まったく検索できない。他の手段を考える必要がある。
区別する方法として、Google画像検索を思いついた。普段あまり使わないが、今回のようにジャケット表紙だと、ある程度ポピュラーなので、何かヒットするかも知れない。
Google画像検索は簡単で、ただ画像をドラッグしてくるだけである。検索に使う画像は、依頼主のブログ頁のものを使った。
さて、試してみると、『siegfried behrend』なんてのが、出てきた。これは何?ああっ、このレコードで、ギターを演奏している人の名前ね。それで、検索結果をさらに見ていくと、なんとビンゴ!当たりである。(本稿冒頭の画像を見て下されぇ)
http://www.artivisive.sns.it/galleria/pagine.php?volume=CXXVIII&pagina=CXXVIII_768_261.jpg
白黒のスキャンだが、ジャケットの絵に間違いなさそうである。絵に付いたキャプションはこうなっている。イタリア語である。
Mezzetin o il chitarrista(Vaduz, coll. privata) (Monaco, mostra Il secolo del rococo)
Mezzetin o il chitarristaが題名。『Mezzetinあるいはギタリスト』、ということか。
coll. privataは、 Collezione privata(個人所蔵)、Vaduzは地名だと思われる。リヒテンシュタイン公国にVaduzという町があるので、ここに住む好事家(たぶん大金持ち)の所蔵品なのであろう。
Monaco, mostra Il secolo del rococoは、おそらく、モナコで開かれた『ロココの世紀展』出品ということかなと。
はい、以上で本件はおしまい。なんだ、長々書いてあるけど、画像検索をやっただけの話ね。そうです。(爆)
蛇足↓
『"How absurdly simple!" I cried.
"Quite so!" said he, a little nettled. "Every problem becomes very childish when once it is explained to you.』
『「なんて馬鹿馬鹿しい、単純なんだ!」と私は叫んだ。
「そうとも!」と彼は、少しいらただしげに、言った。「どんな問題も、一度君に説明すると、とても子供じみてしまうのさ。」』
「私」はワトソン、「彼」は言うまでもなく、シャーロック・ホームズであります。(大笑)
踊る人形の事件簿The Adventure of the Dancing Menから。
わがままな依頼主です。
みっちさん、何事も無かったかのように、すらっと探し出して来て下さったので、こんなにご苦労いただいたなんて思いもよりませんでした。(謝)
最後の画像検索凄いですね!!
私も、みっちさんと同じプロセスで検索してみました。おっしゃる通り、画像に行き着いて、感動です!
本当にどうもありがとうございました。
それに、多少面白可笑しく(ブログだからね-笑)書いているので、実際にはそんなに苦労はしていません。
が、この検索の難易度が高かったのは事実です。(汗)
うまく見つかったのは僥倖であると思います。まあ、依頼主の人徳のおかげでしょう。('◇')ゞ