本記事はカラヤン盤「メリー・ウィドウ」について書いた
過去記事を受けております。
ブログのお友達yymoonさんからコメント欄で教えていただいた、メルヴィッシュ音楽祭DVD盤を観たのです。
はい、メルヴィッシュ音楽祭って、毎年夏にオーストリアはメルビッシュ、ノイジードル湖上にしつらえた野外ステージ上で行われるオペレッタ祭りですね。これはいいロケーションです。(羨)
ドリームライフってところから出ている国内盤なんですけど、すでに廃盤になっているので、中古盤を求めました。UNITEL原盤です。
ハンナ役はエリザベート・カーレスElisabeth Kales-Wallner(1951-2005)、この人はオーストリアのソプラノで、生粋のフォルクスオパー育ちのようです。ダニロ役はペーター・エーデルマンPeter Edelmann(1962-)、オーストリアのオペラ歌手(バリトン)、そして、ヴァランシェンヌ役はマルティナ・ドラックMartina Dorak、ウィーン生まれのソプラノ、この人もフォルクスオパーの人ですね。
ヴァランシェンヌ役はなかなか重要で、見所も多いです。特に、第3幕冒頭ではパリのマキシムを模したセットで、女性陣がフレンチ・カンカンを踊ります。
踊り子たちは本職のバレエ団ですが、ヴァランシェンヌ役も同じ扮装で、踊りをリードしなければなりません。(下の写真で、中央の女性がドラックさんです)
この辺がオペレッタらしいところ。普通のオペラのソプラノ歌手で、カンカンを踊って歌える人が果たして何人いるか...(毒)
ここでかかる音楽が、なんとオッフェンバックの「天国と地獄」!レハールのオペレッタなのに、オッフェンバックが入っていいんだろうかと、ぎょっといたします。(笑)
オペレッタって、オペラというより、ミュージカルに近いかなとも思います。いい意味で芝居小屋の雰囲気と云ったらよいか。
さて、このヴァランシェンヌ役をやられたマルティナ・ドラックさんは、先日みっちも観たフォルクスオパーの公演にも参加しておられました。過去記事はこれです。
その役どころはオルガ役です。オルガ役というのは、老け役というか、年輩の奥様役で、ダニロが扇子の持ち主を探していると、自分が言い寄られたと勘違いしてすっかりその気になり、ダニロがたじたじとなる、というコミカルな役です。ああっ、やっぱりこのDVD公演から20年経っておりますからねぇ。(汗)歳月というものは、どのような麗人にも平等に刻まれてまいります。(笑)
さて、お楽しみカンカンが終わると、舞台後方の湖上に花火が上がります。船の演出もあるし、夏の音楽祭気分満喫であります。
さあ、それで、何と云っても最後のハンナとダニロの、「メリー・ウィドウ・ワルツ」のシーン、お待ちかねです。(愉)広い舞台はハンナとダニロの二人きり、真っ黒のコートに足先まで隠したハンナが、コートを脱ぎ去ると、目も覚めるような深紅のイヴニング・ドレス姿、そして、あのワルツが始まります。
湖上を渡る風に二人の衣装の裾が揺れ、二人のデュエットが響き渡ります。野外劇場って、本当にいいですなぁ。
満場やんや、やんやの大喝采、これぞオペレッタの醍醐味でありましょう。
ということで、このDVDは大変愉しめました。
yymoonさん、どうもご教示ありがとうございました。