今日はAudirvana Plusのメタデータ表示機能を見てみましょう、の巻。 |
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2017年 03月 20日
Audirvana Plusでは、アルバム単位あるいはトラック単位で、メタデータを表示させる機能があります。まあ、冒頭の画像をご覧ください。 左は、クラウディオ・アバド指揮VPOでマーラーの第2番「復活」です、1992年11月録音のDGG盤、右はポール・マッカートニー&ウイングスの「バンド・オン・ザ・ラン」1973年9月-10月録音です。 ジャケット写真の下に、データがいくつか書かれています。今日はこのデータを追求してみましょう。まず、ReplayGainとある。これは何ぞや? リプレイゲインReplayGain(以下RGと書きます)とは: RGは楽曲のラウドネスLoudnessを表す指標です。単位はdBでプラス、マイナスのどちらの値もとります。ラウドネスは「音の大きさ」です。あいつの声は大きいとか小さいとかいう、あれです。さて、ある楽曲のラウドネスを決めようとすると、当然こんな疑問が生じます。「あの曲は静かに始まって、最後はドカーンと大音量で終わる。いったいラウドネスはどの値を採ったらよいのか?」 RGでの決め方はこうです。「楽曲を50msごとにサンプリングする。得られた各レベル値を大きさの順に並べて、上から95%のところの値をその楽曲のラウドネスとする」 まあ、難しい理屈はともあれ、これでだいたい人間の感覚に近い値が得られるということになっています。 そして、RGの定義はこうなります。 RG = Ln14 - L [単位;dB] ここでLn14は基準のラウドネスです。(詳細は後記) Lは上記のように求めた、その楽曲のラウドネス。 たとえばRGが+5dBという曲の場合は、基準よりも静かな曲なので、+5dBヴォリュームを上げてやらないと、基準のラウドネスにならない、という意味です。 反対に、RGが-10dBという曲であれば、基準よりも音の大きな曲なので、-10dBヴォリュームを下げないと、基準のラウドネスにならない、という意味です。 クラシックの曲はたいていプラスのRGになり、ポップスではマイナスのRGとなることがほとんどです。 では、基準のラウドネスLn14の意味ですが、これは映画業界の標準(SMTPE)がベースとなっています。SMTPEでいう標準状態とは、「フル・スケールに対して-20dBのレベルのピンクノイズ信号を入力して、83dB SPLの音圧を発生させた状態」です。 RGでは、これと同様の決め方ですが、「フル・スケールに対して-14dBのレベルのピンクノイズ信号を入力して、89dB SPLの音圧を発生させた状態」を基準として、Ln14と表記します。 (以上、「ReplayGain 1.0 specification」というページを参考にしています) はい、ではRGが分かったところで、記事冒頭画像をもういっぺんよく見てみましょう。 アバド「復活」のRGは-1.7dB、ポールの「バンド・オン・ザ・ラン」は-3.2dB、へぇーあんまり違わないね、どちらも結構大きい音で入ってるんじゃん、と思った人、それは「大きな間違い」です。(笑) どうしてかというと、これは「アルバム全体」の値だからです。トラック単位で見ると全然違います。まあ、ポールのアルバムの方はトラック単位でもたいして違いませんが。 アバドの「復活」の第5楽章の途中から、詳しくトラック単位で見てみましょう。括弧内の値がRGです。 Sehr langsam und gedehnt (26.7dB) Langsam. Misterioso "Auferstehn, ja auferstehn wirst du" (11.0dB) Langsam ppp. Nicht schleppen "Wieder aufzubluhn wirst du gesat" (14.4dB) Etwas bewegter "O glaube, mein Herz, o glaube" (10.4dB) Mit Aufschwung, aber nicht eilen "O Schmerz! Du Alldurchdringer!" (-3.3dB) はい、どうでしょうか、Sehr langsam...は非常に静かに密やかに始まり、最後のクライマックスMit Aufschwung...ではオルガンも加わって壮大なる高揚の内に終わります。 この2つのトラックの音量差は、なんと26.7dB-(-3.3dB)=30dBですねぇ。まあ仮にRGのガイドラインに沿って、Sehr langsam...のところで26.7dBヴォリュームを増し、89dB SPLで聴いていたとすると、クライマックスでは119dB SPLの大爆音が響き渡るわけですな。(爆) 本日はこれまでです。
by mitch_hagane
| 2017-03-20 12:25
| 3.音楽
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