まずはシューベルト、イザベル・ファウスト(vn)とアレクサンドル・メルニコフ(p)です。(記事冒頭の画像参照)
曲目は以下です。
・ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調 Op.159, D.934、
・ヴァイオリンとピアノのための二重奏曲 イ長調 D.574
・ロンド(華麗なロンド)ロ短調 Op.70, D.895
何はともあれ、「幻想曲ハ長調」、これほどインティメートな静謐の中に始まる音楽も珍しいです。
1828年、作曲者の死の年にウィーンで初演されたもの。
この初演は不評で、聴衆や批評家たちは、曲の途中で次々と席を立ったと伝えられています。(出典は
ウィキペディアより)
到底信じられません。シューベルトを代表する名曲の1つであると思います。
イザベルのヴァイオリンとメルニコフのピアノが絶妙のバランスで、溶け合います。
20数分ほどの曲ですが、陶酔いたします。
ハルモニア・ムンディ盤、2004年9月にベルリン、テルデックス・スタジオにおけるセッション録音。装幀はシンプルですが、ハルモニア・ムンディらしい、気の利いたもの。お薦めです。ジャケットの絵画はもちろんクリムト、「Ferme avec bouleaux」(白樺と農家)です。
もう一枚はシューマンのヴァイオリン・ソナタ集。これです。
イザベル・ファウスト(Vn)とジルケ・アヴェンハウス(p)で、ロベルト・シューマンのヴァイオリン・ソナタ第1番、第2番、第3番です。
中でも、ここで聴くべきは、やはり4楽章からなる第2番ニ短調作品121でしょう。
1851年の作曲、シューマン(1810-1856)41歳、そろそろシューマンの精神面の健康に、怪しい雲が広がりだした頃であります。
しかし、ここでは見事なバランスの音楽が展開されます。イザベルのヴァイオリンはどこまでも、清々しいです。
ハルモニア・ムンディ盤とちょっと音が違い、あっさり目の音ですが、まあよろしいでしょう。
CPO盤、1999年3月22-25日、ドイツ・シュトゥットガルトの、Kammermusikstudio des SWRにて、セッション録音。
ジャケットの絵画は、Philipp Foltzの「Die Loreley」です。ローレライっていうと、メンデルスゾーンの未完に終わったオペラ「ローレライ」が、思い出されます。
その話はまたいずれですなぁ。(笑)