今の時代でワーグナーをピアノで聴くとはこれ如何に、の巻。(笑) |
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2016年 01月 25日
はい、昔はステレオなんて便利なものがなかったので、オーケストラ曲を手軽に家庭で聴くわけにはいかない。そこでオーケストラのピアノ編曲版というのが、役に立ったんですねぇ。フランツ・リストが編曲したベートーヴェン交響曲のピアノ版などは有名です。 では、今の時代で、果たしてピアノ編曲を聴く意味があるのか?さぁ、どうでしょうねぇ。 まずは聴いてみましょう。 ピアノはグレン・グールド、曲はリヒアルト・ヴァーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」序曲です。 はい、これは例の「グレン・グールド・リマスタード」の1枚ですね。 ちなみに、みっちはこれの初出時にLPで買って聴いていました。まだ物置を探せば、そのLPもあると思いますが、まあ、ここはリマスターされたCDの音を愉しみましょう。 いったい、ヴァーグナーの、それもマイスタージンガーを1台のピアノで弾こうとは、どういう考えなんでしょうか。こんな巨大な対位法的和声の交錯を、どうやって表現しようと。 でも、不思議なことに、まあ理屈はともあれ、このマイスタージンガー序曲は聴いていて愉しいです。また、グールドが彼自身とても愉しみながら弾いているのが、よく分かります。 ただしですね、このマイスタージンガー序曲は演奏時間10分ほどなんですが、後半3分間ほどのクライマックスでは、あれっ、となるはずです。 そこで、この録音に関するグールドのインタービューを聞いてみましょう。 GGはグレン・グールド、KHは、聞き手でアナウンサーのケン・ハスラムKen Haslamです。 この後半3分間は、ピアノ1台では和声を表現しきれないという、グールドの話からです。 『 KH:すると、あなたは編曲を行う前には、どういう具合にそのセグメントを自宅で演奏していたんですか? GG:とりあえず一つ二つの主な声部を省いて、「ミッチと歌おう」式に自分で歌って付け加えたんですよ。 KH:それはあなたのレコードでは、よくありがちなことですよね、そうでしょう、ミスター・グールド? GG:そのお言葉は、記録しておきますよ、ミスター・ハスラム。 KH:しかし、真面目な話、グレン、どうやってこのパッセージを録音できたんですか? GG:録音用に、ピアノの第一のprimoパートを書いたんです、最後の3分間用にね、それを録音して、イヤホーンを耳に当て、それからまだ足りないパートを第二secondoピアノ用に加えたんです。 NH:なんと、グレン、電気的なトリックをしたと言われるのですが、芸術性を損なうという、それは... GG:...うん、たぶん、道徳的な義務について議論するのは、また別の機会があるでしょう。 NH:分かりました。でも、3分間にわたって、第一と第二のピアノをオーバー・ダビングしたことで、マイスタージンガー序曲をピアノで完全に演奏できたと言えるのでしょうか? GG:それは、私が決めることではありません。でも、私自身のルバート(みっち注:自由にテンポをとること)に合わせようと努力するのは悪夢のようで、これはFerranteとTeicherの仕事で、私向きじゃないと分かりましたよ。 』 蛇足ですが、みっち注。(笑) 「ミッチと歌おう」:これ、ミッチー・ミラーというひげのおじさんが合唱団を率いて、「さあ、皆さんご一緒に」と、ポピュラーな名曲を歌うTVの人気番組です。日本でもNHKテレビで放映されました。1960年代ですね。ちなみに、みっちとは何の関係もありません。(爆) 「FerranteとTeicher」:これは、みっちも未見・未聴なのですが、その頃軽音楽のピアノ連弾で有名だったデュオらしいです。 グールドは、リスト編曲のベートーヴェン交響曲第5番も弾いています。 これです。 さらに、さらに、このCDもご紹介いたしましょう。これはリヒアルト・ヴァーグナーの最後のオペラ作品「パルジファル」のピアノ連弾です。 ピアニストは、Ana-Mrija Markovinaさんと、Cord Garben氏。エンゲルベルト・フンパーディンクの編曲による、ピアノ四手版ですね。 序曲に始まって、パルジファルの聴き所のあちこちが演奏されます。 まあ、面白いのですが、正直な話グールドの演奏と比べると、愉しさは大きく劣ります。 はい、今回は以上です。
by mitch_hagane
| 2016-01-25 15:55
| 3.音楽
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