カッコーの啼き声とともに、私立探偵コーモラン・ストライク登場!J.K.ローリング新作!! |
一躍話題集中ということですねぇ。
内容は、現代のロンドンを舞台にしたミステリーです。
流行もんに弱いみっちは、さっそく読んでみることにしました。(笑)
それでまず、表題のCuckoo's Callingなんですが、これは本書の冒頭の題辞Epigraphに引用されているとおり、クリスティーナ・ロセッティChristina G. Rossettiの詩から採られています。クリスティーナはラファエロ前派で名高いダンテ・ゲイブリエル・ロセッティDante Gabriel Rossettiの妹さんです。ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティは、日本では画家として有名ですが、詩人でもあります。
はいっ、では、まずここはクリスティーナ・ロセッティの詩を紹介いたしましょう。
なお、邦訳は、みっちであります。(汗)
A Dirge
Christina Georgina Rossetti
Why were you born when the snow was falling?
You should have come to the cuckoo’s calling,
Or when grapes are green in the cluster,
Or, at least, when lithe swallows muster
For their far off flying
From summer dying.
Why did you die when the lambs were cropping?
You should have died at the apples’ dropping,
When the grasshopper comes to trouble,
And the wheat-fields are sodden stubble,
And all winds go sighing
For sweet things dying.
『葬送歌』
クリスティーナ・ジョージナ・ロセッティ
『
なぜあなたは、雪が降り始める頃に、生まれたの?
あなたは、カッコーが啼く頃に、生まれるべきだったわ。
それとも、葡萄が、緑の房になる頃に。
それとも、せめて、しなやかなツバメたちが、越冬に備えて集う頃に。
遠くへと羽ばたく彼らは
終わりゆく夏から逃げていく
どうしてあなたは、羊が毛を刈り取られる頃に、亡くなったの?
あなたは、リンゴが熟して落ちる頃に、亡くなるべきだったわ。
バッタが現れて、面倒を起こし
そして、小麦畑が濡れた刈り株になり
そしてすべての風が溜息をつく
終わりゆくすべての甘美なるものへ
』
はいっ、以上ですが、多少蛇足の説明を...
この詩は、早くして亡くなった子供を悼むような内容ですが、特定の対象はいないようです。純粋に詩的なイマジネーションの産物でしょう。
第1スタンザでは、なぜあなたは冬に生まれたの?春でなく、夏でもなく、せめて秋にでも...と畳みかけてきます。何となく薄幸の生まれを想像させますね。
第2スタンザでは、なぜあなたは春に死んだの?せめて秋なら...とこう来るんですね。やっぱり、詩的には死に逝くなら、秋ですかねぇ。(疑)
さぁ、次回からは、The Cuckoo's Calling『カッコーの啼き声』の内容紹介に入ります。
写真は冒頭が原書の表紙(英国のKindle版)、それとクリスティーナ・ロセッティの肖像画です。(ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの作。Wikipediaには高解像度の画像もありますので、そちらをご覧下さい)
http://en.wikipedia.org/wiki/Christina_Rossetti